小さな物語
普段のレッスンは、とくに子供は良いところを褒めて伸ばそう!と、思うのですが、音が違う、指使いは?臨時記号の約束はどうしたの?など出来ないところの指摘が多くなる。あげくに爪が伸びている、足をキチンとなど音楽以外の注意も度々。
言われる方もウンザリでしょうが、言う方だってウンザリだし、どっと疲れるのです。
中学生のKTちゃんも普段は小言が多くなる生徒です。穏やかでおっとりちゃんで、二年ほど前から、引っ越しを機にうちに来ています。
この子は絵や本が好きで、自分で作品も書きます。
今日、嬉しそうな顔で何か言いたい表情でレッスンに来ました。何かあるなと思っていたら、小さな読み物を書いたから読んでとのこと。早速、手書きの物語を読みました。
この物語はこの子の人柄が溢れるお話でした。普段のレッスンではつい見落としてしまう、この子の優しさや寂しさが解りやすい言葉で丁寧に書いてありました。
今日は胸がきゅっと痛くなり、この物語を私に読ませてくれて本当にありがとうと思いました。やはり良いところを見て褒めて伸ばそうと心に誓い、ピアノのレッスンになりましたが、弾き始めてあれれ?
音が違う!指使いは?臨時記号の約束ってなんだっけ?!
やはりいつもどおりのレッスンになり、毎日コツコツした練習の積み重ねの大切さ、勉強だって同じでしょうとお小言が続き、二人で笑い、反省したのでした。

